にちじょう

なにげないひびを、つらつらと

エリート街道 二話

だれが読むかもわかりませんが、とりあえず書きます。物語の流れは、コメントで募集します。大まかに流れを決めてください。

 

では、第二話です。

 

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大学最寄りの改札を出る。

軽く舌打ちした。というのも、最寄り駅の改札のころは晴天だったのに、雨が降っていたから。

雨に打たれたアスファルトが、独特のにおいを漂わせる。

 

せっかくの入学式だ、ずぶ濡れで行くわけにもいかない。近くのコンビニに入ろう。

 

雨だからか、コンビニに人が多い。床が一面濡れていて、今日のおかしな天気にやられた人の多さを物語る。

傘をとり、ついでにホットコーヒーを買う。四月だっていうのに、今日は真冬並みに寒いんだ。

傘を片手に、コンビニの軒下でコーヒーをすする。

 

行く人行く人が急いでいる。

どこか、高校時代とは違う雰囲気。町のの見え方が違う。こんな状況でも、僕は自分が難関大学にはいれたことに、惚れ惚れしていたのかもしれない。

 

と、行く人の中に見た顔がいた。

「よっ、藤田!」

「あれ、小林じゃん」

藤田は、中学校まで同じクラスにいた奴だ。誠実真面目を形にしたようなやつで、ずっとつるんでいた。しかし、中学校3年生のころ、親の都合で引っ越し、その後は音信不通であった。

 

「久しぶりだな、スーツ着てるってことは、お前今日入学式か?」

「そうだ。自慢みたいになっちまうが、東浜大学だ」

「一緒じゃねえか!」

偶然とはこのことだ。中学校以来あっていなかった奴が同じ大学へ合格し、入学式の日に偶然出会う。

 

旧友との出会いに心躍りながらも、どこか落胆に似た気分が心をよぎる。これで、自分の”特別さ”が一ランク下がったな、そう心の中でつぶやいた。

 

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入学式の会場近くは、とても賑やかだった。

こんなに多くの人が、この大学に合格をもらい、入学することになったのか。あらかじめ数字で入学者数は見ていたが、数字で見るそれと、現実で見る人の数とは、ずれがあった。

 

入学式会場では、藤田と隣同士に座った。

会場は外とはうって変わって暑い。人口密度と、今日の雨のせいだろう。

暑さをごまかすかのように、藤田と話をする。お互い同じ目標をめざし頑張ってきたんだ。話のネタは尽きない。

 

突然会場が静かになった。

いよいよ入学式が始まるようだ。